dream■short_T

□天然小悪魔とROOKIES
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「ロー、今日出た数学の宿題わかんない、教えてー。」



「ん?…しょうがねぇな。


放課後お前んちで教えてやるよ。」



「待てコラテメェ、何で名無しさんん家まで行く必要があンだよ?

ここでやって帰れ変態野郎が。」




「…あ、そうそう、キッド、うちのエアコン壊れて寒いんだ、直してー。」



「あ?…しゃァねぇな。なら放課後お前んちに…」

「待ててめェ、家まで行く必要が…」

「あンだろどう考えても。」


「……。」




嘲笑うような凶悪な顔をしたキッドに、ローは忌々しそうな凶悪な顔をした。




「ちょっと二人ともさ、凶悪な顔してないで仲良くしてよ。



あたしは、二人とも必要だって言ってるのにー。」



「…。」


「…。」 


「…?」




字面で見るといかにも小悪魔な発言だが、名無しさんは至って無意識なのである。








―そして放課後、名無しさんの部屋。




「わーさすがローだね!

凄く分かり易い!」



「フン、だろ?

何なら毎日教えてやってもいいぜ?」



「えーっほんと?!それ助かるなー。


ローみたいな彼氏がいたら、志望大学にも受かりそうだよね!」



無邪気に笑う名無しさんの台詞に、ローが後方で作業をしていたキッドを勝ち誇ったように見遣る。



ギリッと歯を鳴らして、キッドは不機嫌そうにエアコンのパネルを荒く閉めた。



「…オラ、直ったぜ。」



「わっ、助かったよありがとう!
相変わらず凄い技術だよねー。


キッドみたいな旦那さんがいたら、生活に困らないよね!」



逆転!というようにニヤリとローに視線を送るキッド。




「なら、俺が…」

「じゃあよ、俺と…」


「あっ、そっかそっかー!

いいこと考えたよ!




二人とも、あたしのおにーちゃんになってくれればいいんだ!



そしたら、もし彼氏できたり将来結婚しても、一生ローとキッドと一緒だね!!」



「……。」


「……。」


「……?」




もはや、天然小悪魔というより天然鬼畜な名無しさんに振り回される、二人の受難の日々はまだまだ続く。

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