dream■short_T

□お見合いパーティー【硬派編其ノ弐】
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ゾロは、名無しさんをどこかメルヘンチックな雰囲気の小径のある樅林に連れて来た。




「俺がお前にあげてぇモンは…。





この3本の剣の魂と、この手だ。」





ゾロは剣をザシュッと地面に刺し、両手を名無しさんに向けて翳した。





「剣をお前に渡すことはできねぇし、まァ手を…やるってのも無理な話だ。




だが…、


俺が命を賭けてるこの…





…って、テメェ何笑ってやがんだ?!」




名無しさんは、クスクスと肩を揺らして笑っていた。




「違うんです。



凄く嬉しいんだけど、何だか正統派ヒーローみたいで格好良過ぎて…」




「おま…っ、俺はマジメに…!!」




「フフッ、わかってます。

ごめんなさい。


本当に嬉しくて、それで笑ってしまったんです。



ゾロさんが、私に本当に心からのものをくれようとしてるの、わかってますよ。」




ゾロは、照れ隠しか後頭部をガリガリと片手で掻いて視線を横に流した。




「…まァ、


小難しいことは言わねぇけどよ。



俺は俺自身を高めるために今まで突っ走ってきたが、これからは…」




ゾロは、今度は射抜くように名無しさんを見詰めた。




「お前を守るために、命を賭けて剣を振るう。」





「…



はい。」





あまりに真っ直ぐ過ぎて、そしてドキドキして今度は茶化せなくなった名無しさんは、赤い顔で頷いた。





「まァ、でもよ。


せっかくクリスマスってンだから、剣だの命だの物騒な話は置いといてよ。


…見ろよ。


あそこの樅林と星が、ツリーみてぇに…





…って、テメェまた笑ってんじゃねぇよ!!」




「フフフッ、


だって何か、ゾロさん意外にロマンチストなんですもん!」
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