☆ARS☆

□君の虜
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〈椎梛side〉



椎梛「ふぅ…」


泣き疲れてしまった。


智「僕ん家来る?」

椎梛「遠慮しとく」


ちゃんとけじめを付けてから智君に近付きたい。


智「うん。それでいい」


それを智君も分かってくれているから。


椎梛「でも、今度どこかへ一緒に遊びに行かない?」

智「椎梛ちゃんが行きたいって言うなら」

椎梛「カラオケとか」


お友達としてなんだから、これくらいならいいでしょ。


智「あ、そーゆーヤツ?(笑)」

椎梛「他にどこに行くの?」

智「いや、いいけど(笑)」



「ちょっと期待した」って言いながら私の頭を撫でた。



…智君ってこうやって無意識のうちに色んな女の子をドキドキさせてるのかなぁ?


だとしたら、何か、ちょっと、ほんのちょっとだけ、嫌だ。


嫉妬とかそんな可愛らしいものじゃないと思うけど、何か嫌。


自分でもコレの正体が何なのかは分からないけど、何か嫌。



兎に角、嫌なの。



智「さてと、帰ろっか?」

椎梛「うん」


返事を合図に智君は私の頬にちゅって音をたててキスをした。




未だに慣れない。
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