☆ARS☆
□君の虜
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〈椎梛side〉
いつもの帰り道。
いつものアイツの姿が見える。
……またか。
またアイツの事を気にするのか。
まだアイツの事を気にするのか。
智「椎梛ちゃ…あ…」
椎梛「うん…」
智「よしよし」
椎梛「私は子供じゃない」
智「おいらがしたいだけだから」
私、ダメだな。
椎梛「無理。公園行こ?」
智「…うん」
どうしてもアイツの事が忘れられない。
椎梛「泣いていい?」
智「また泣くの?」
椎梛「…じゃあ我慢する」
智「おいで?」
叩かれたベンチに腰を下ろす。
智「やっぱ泣いちゃった」
私はいつまでも弱い。
私は智君の膝の上で智君の腕に抱かれて泣き続けた。
椎梛「もう良いよ」
智「おいらがまだ良くない」
椎梛「ん…///」
腕は離してくれたけど、その腕は腰に回された。
椎梛「いつになったら私は泣かなくなるのかなぁ…」
智「別に無理して泣かなくならなくてもいいと思うよ?泣いたらまたおいらが慰めて涙を止めてあげるし」
椎梛「智君のそーゆー所好き」
智「僕は椎梛ちゃんの全部が好きだよ」
椎梛「…智君のそーゆー所はあんまり好きじゃない///」
智「えーっ?」
胸が苦しくなるから。