☆ARS☆

□甘い誕生日
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潤「さくらんぼ?」

椎梛「そう、さくらんぼ。私、さくらんぼ好きなの」

潤「さくらんぼねぇ…」


確かにウチでさくらんぼを使った物は無い。


潤「ジャムにして…パンに乗せるとか?」


椎梛「さくらんぼ丸ごとがいい」


我儘なお嬢さんだな(笑)


潤「そうだ!さくらんぼティー!」

椎梛「紅茶に入れるの?」

潤「そう。これなら丸ごと入れられる」

椎梛「じゃあお店で飲食出来る様にしたら?大改造になるかも知れないけど(笑)」

潤「それは大変だ(笑)」


そうと決まればすぐ行動。


また買い出しです…


椎梛「私も行く!」

潤「楽しい?」

椎梛「潤さんと行きたいの!」

潤「……そう」


本当に素直じゃないな…


潤「さくらんぼ…っと」


取り敢えず試作品用なので数種類のさくらんぼを1パックずつ購入。


それらを1粒ずつ食べ比べて良さそうな種類の物をまた買いに行く。


潤「…二度手間だろ?」

椎梛「ま、まあね(苦笑)」

潤「残り食べていいよ?俺、もっかい行って来るから」

椎梛「ダメ!私も行くの!」

潤「あ〜、はいはい」


そんな可愛い我儘なら全然聞くわ(笑)



また二人で買いに行って、やっと試作品作り開始。


椎梛「何か手伝う事あるー?」

潤「あ〜…俺、調理場には誰も入れたくないんだよね…だから、さくらんぼ食べてな?」

椎梛「……はーい」


椎梛ちゃんは調理場が見える場所に移動してからさくらんぼを食べ始めた。

けど…


椎梛「潤さん、これ、美味しくない」

潤「どれ?」


そう言うと椎梛ちゃんは、手が離せない俺の傍まで来てカウンターから身を乗り出し、俺の口にそいつを放り込んだ。


潤「そうか?美味しいと思うんだけど…」


さくらんぼ好きにはこいつは美味しくないと感じるのか?
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