☆ARS☆

□学園の嵐 *1st*
2ページ/90ページ

〈椎梛side〉



只今、体育の先生の背中に揺られています。


椎梛「大丈夫ですよ?」

「いや!大丈夫じゃなかったら俺も大丈夫じゃない!」


訳が解らない。





私に何が起こったかと言うと、ドッジボールでボールが足に当たっただけ。


いやいやいや。


ドッジボールはそう言うゲームでしょうが。


なのにこの様。



心配性過ぎるのよ。


そんなにも大切にされると…正直引く。



皆と同じ人間なんですけどー。

皆と同じ様に接してほしいんですけどー。



「骨とか折れてたら…!」

椎梛「折れてません」



あの超柔らかいボールが当たって骨折とか…


どんだけ私を骨粗鬆症にしたいのよ。



もうお馴染みの保険医の先生は呑気に「またなの?」なんて笑っている。


笑い事じゃないのに。



ここで授業に戻るとどうせ保健室に逆戻りなので…寝ておく。


要するにサボり。

しかも堂々とサボる事になる。


私にはそれしか出来ない。



椎梛「はぁ…」



キーンコーンカーンコーン



直ぐかよ!


暇しなくて済むけど。



椎梛「失礼しました」

「はーい」



あーあ…何かこの生活、嫌…


抜け出してみたいな。


この生活から。


椎梛「一度だけでいいから皆と同じ生活がしてみたい」



ダメダメ。


皆のイメージを壊してはダメ。



この学校、山風高校には【嵐】と呼ばれている(らしい)アイドル六人が居る。


その内の紅一点が私。


他の五人は知らないけど。



だから、学校内では“皆のアイドル荒谷椎梛様”で居なくちゃ。




…自分でこんな事を言うのも中々恥ずかしいわね///


私はアイドルじゃないし。


ちょっとお嬢様ってだけだし。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ