☆ARS☆
□最後まで
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潤「さっみぃ…」
日中はまだ暖かいとは言え、もう秋だから夜はやはり肌寒い。
アイツ、確かコートは俺の家に置いて行ってたよな。
しかも薄手のしか着てなかったくね?
潤「ヤベェじゃん」
風邪引くじゃん。
俺は足を速めた。
三日月が雲間から見え隠れする近所の公園。
ジャングルジムの頂上でその三日月を一人寂しげに眺める人に話し掛ける。
潤「ねぇ君。俺の可愛い彼女がこの近くに来た筈なんだけど、知らない?」
椎梛「…知らない」
潤「そっかぁ。じゃあさ、君が俺んトコに来ない?」
椎梛「きっと彼女さん呆れてるから相手してあげてもいいよ」
潤「どーしたら機嫌直してくれると思う?」
椎梛「もう許してくれないんじゃない?」
潤「君だったらどーしたら許してあげる?」
椎梛「………優しく抱き締めて謝ったら、かな?」
潤「じゃあそうしてあげよ」
ジャングルジムを登って隣まで行き、君を優しく抱き締める。
抱き締めたこの腕からも俺の気持ちが伝わる様に。