☆ARS☆
□君の虜
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〈椎梛side〉
今日はもうクリスマスイブ。
待ち合わせ場所に向かう為の電車のホーム。
毎年この時期は友達と何かをするって事はない。
クリスマスからお正月に掛けておばあちゃんの家に行って1週間ちょっと泊まるくらい。
でも今年は違う。
智君とカラオケ。
考えるだけでウキウキする。
…何もないのにね。
クリスマスパーティーとか楽しそうだけど、あまり「やりたい」とは思わない。
だから、カラオケでいい。
電車に乗り込み、空いている席に座る。
「あ…」
椎梛「えっ?」
声がしたの方を見ると、通路を挟んで向かい側に私服の智君の姿を見付けた。
智君は私の隣に移動してから「隣いい?」って笑いながら訊くから「もう来てるじゃん」って私も笑いながら返した。
智「集合場所決めた意味ないね(笑)」
椎梛「ね(笑)」
制服じゃなくてちょっと戸惑うけど、私服は私服でオシャレでカッコ良くて。
でも中身はやっぱり智君。
制服姿の智君より私服姿の智君の方が私は好きかも。
智「服、変?」
ジーッと見てたから変だと勘違いされた。
椎梛「ううん、似合ってるし、凄くカッコイイ」
智「あ、ありがと///椎梛ちゃんも凄く可愛いよ///制服より好き/////」
椎梛「あ、りがとう///」
智君も同じ事思ってた///