☆ARS☆
□Dream Fighter
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〈椎梛side〉
ここ…どこ?
何この透明な球体…何で私はこんな所に入ってるの?
しかもこの球体…浮いてね?
どーなってんの?
え、テレポート出来ない!?
って事はアレが使えない…
靴を鳴らす音が近付く。
ドアが開き…アイツ!?
椎梛「私をここから出せ!」
そう声を荒げてもソイツは喋らない。
椎梛「何が目的だ!」
また喋らず私を指差す。
椎梛「私?私の何だ!?」
やはり喋らず首を傾げる。
椎梛「っ………お前…そんなに俺に殺されてぇのか…?」
ソイツは私の話には耳も貸さず、奥へと去って行った。
はぁ!?
落ち着け…落ち着け私…
無闇矢鱈に暴れるだけ無駄。
ここから出られる筈がない。
体力を奪われるだけ。
他には…テレパシー…
…助けを呼ぶ為にテレパシーを使う事には少々抵抗がある。
それは私の中の何処かで心配や迷惑をかけたくないという思いがあるから。
でも、今の状況ではこのままの方がそれこそ心配にさせてしまう。
≪和?和!?≫
ダメかぁ…
また靴音が近付く…けれども、走ってる感じだし、さっきの靴音とは違う?
ドアが荒々しく開くと同時に「椎梛!?」と叫びにも似た声が聞こえた。
椎梛「…何で呼び捨てなの?」
本人も無意識のうちに呼んでしまったようで「あ、いや…」と声を漏らし、少しピンクに染まった頬を隠すようにか俯いてしまった。
可愛い(笑)
潤「ったく何なんだよ、折角人が心配して助けに来てやったってゆーのによぉ…」
椎梛「すみません!ちょっと疑問を抱いただけなので!」
む、無言怖いよぉ…(T-T)
潤「俺らは全員大丈夫だから安心しろ。椎梛ちゃんは?」
い、今…“ちゃん”をかなり強調されたような気が…(汗)
椎梛「だ、大丈夫!」
潤「おいおい。その状況じゃ説得力ゼ〜ロ〜だから(笑)」
椎梛「私だって居たくてこんな中に居る訳じゃないもん!アレ使えないし…」
潤「しゃあねぇなぁ…」
潤君が球体に触れようとした途端にまたイメージが!
でも時既に遅し。
凄まじい音と光がこの部屋を包み込む。
椎梛「ゔっ…」
潤「!?」
椎梛「ハァ…ハァ…触れると…私に…ッ…ハァ…強い電流が…そのイメージが…」
潤「分かった!分かったからもう喋んな!」
椎梛「ハァ…誰か来る…」
潤「誰かって誰だよ」
足音が四人分だから…多分──…
潤「椎梛ちゃん…?椎梛ー!!」