☆ARS☆

□学園の嵐 *1st*
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〈椎梛side〉




「キャー!」

「荒谷様よ!」

「マジで!?」

椎梛「おはよう(ニコッ」

「「「おはようございます荒谷様///」」」

椎梛「“様”は要らないって言っているでしょう?」

「お付けしないと失礼です!」



これが私の日常。


保育園に通う頃からこんな扱いをされているからもう慣れた。



私は一応有名なお嬢様。


とは言え、このキャラを続けるのはやはり疲れる。


こんな喋り方、家では絶対しないわよ。



そこで思い付いたのがこの方法。




ガチャ



椎梛「ん〜〜〜はぁ…屋上最高」


あまり人が来ないし。


だって、合鍵を持っているんだもの。


この高校の校長先生とはちょっとした繋がりがあるから「屋上の合鍵が欲しい」と頼み込んだら、簡単に作ってくれた。



椎梛「紫外線ヤバいかも」


少しでも日焼けすると執事の長ったらしい説教を食らうので、日陰に避難する。



椎梛「静かでいいわー」



入って来られるのは先生くらい。


他の人は入って来られない。



私のお気に入りの場所。



「今日もお美しいですぅ」とか言うお世辞は聞き飽きたけど、悪い気はしない。


でも煩いのは嫌いよ。


だから時間がある時はここへ来て寛ぐ。



椎梛「5分前…」



朝の寛ぎタイムは終わりか。



別に、クラスが嫌いって訳じゃないからいいけど。


ここが好きってだけ。



きちんと鍵を閉めて階段を下りて教室へと向かっていると人集りに遭遇した。


私と同じだけど私とは違ったタイプの騒がれ方をしている。



アレにだけは関わりたくない。
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