odai
□さびしい
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暖かい温もりの中で眠って、目覚めたら君が消えていた
冷めたベッドから伝わる時間経過
まだ朝にもならない暗い空の中
「何処に…行ったの?」
掛布にくるまったまま立ち上がると、テーブルの上に小さな紙切れ
"ちょっと用事が出来たから…昼には戻るよ"
見慣れた字。そして約束の言葉
その紙切れを胸に抱いてベッドに腰かける
突然居なくなるのは渡り鳥として良くあることだから
「必ず帰ってきてよ…」
宿り木は私の役目
疲れた鳥が休めれるように縛り付けたりしたくない
だから、寂しいなんて言えないもの
「ロディ」
いつか小さな孤児院を作ろう?
子供好きな彼だから、子供にも愛されるよ
二人で寄り添いながら、子供の成長を喜ぶの
私達の間に子供が居なくても
私は貴方を愛し続けるから
約束の時間
真昼の空と美味しそうなスープの香り。小皿に移して一口味見
まろやかな味が口に広がり満足な頷きを一つ
開いたドアに振り向くと、大好きな彼の顔
「ただいま。名無しさん」
「おかえりなさい」
幸せの階段を登り始めた私達の新婚生活
だから夢から醒めないで