女王は嗤う

□見えた翼は
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『ったくめんどくせぇ…報告なら審議が終わってからでもいいじゃんか』




審議場まで続く長い廊下を足早に歩く。

あの後、駆け付けたエルヴィン率いる調査兵団と駐屯兵団工兵部の活躍によってその場を切り抜けた。

私は事後処理やら現状報告などでシーナまで呼ばれ、数日後に再び会議参加の為に戻って来た。



この異例の事態のなかで私をパシリに使ったあたり、中枢も動揺しているのだろう。



『W安心は出来ないが、取り敢えず安全かどうかWの保障が欲しかったんだろうな…。それを今から審議すんだっつーの』



これだから自己保身の強い奴は困る。


あ、私もだった。





それより驚きなのは、彼があの時の少年だった事。


それから、WあのWイェーガーさんの息子だった事。

まだ15歳なのに、こんな事になるとは…。




『まさに救世主登場って感じかな。うまく延命してやらんと』






そう呟き、一つ溜め息を溢して思い切り扉を開いた。





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