main
□正直言うけどさ
1ページ/2ページ
※みんな学生
旦那は部活へ行った。
筈だったんだ。
「……これはどういうこと?」
「さ、佐助!違うのだ、これには訳が!」
「どうもこうも俺が真田を誘った、…見てわかんねぇのか?」
「あんたには聞いてないだろ!!」
何故部活へ行った筈の旦那が伊達政宗と一緒に帰ろうとしている?
そしてその手はなんだ?何故白昼堂々と野郎同士で手を繋いでいる?何故旦那は嫌がらない?相手が好敵手である伊達政宗だから?それにしてもおかしいだろ。今は真夏だ。手を繋ぐ理由もない。
「…ねぇ、旦那、これはどういうコト?何故あんたが部活サボって此処にいる?そして何故こいつが一緒にいる?」
「そ、それはだな……」
必死に嘘を考えてる顔だ。
旦那はサボるような人じゃない。あいつの言った通り旦那を良いように言いくるめて誘ったのだろう。どんな甘い言葉を囁いたか知りたくもないが。
微かにあいつの口角が上がっている、こっちの反応を見て面白がっているんだろう。
「もういいよ、旦那。俺様まだやる事あるし先帰ってて。あと伊達ちゃん、あんたには話があるから」
「佐助!政宗殿は悪くないのだ!だから…!!」
「shut up、幸村。俺もアイツに用があったんでね。……さっさと帰りな」
旦那はこちらの様子を伺いながら去って行った。
「…さて、あんたには話したい事が…いや、話さないといけない事が山ほどあるんだけど。」
「奇遇だな、俺もだ。」
「「俺はあんたが嫌いだ」」
「今日の事は見なかった事にしておくさ。俺様人の色恋沙汰や趣味に口は挟まない主義でね」
「ah?何勘違いしてやがる。誰が誰を好きだって?」
「惚けんなッ!旦那がどんだけあんたに……ッ!!」
「そう熱くなんなよ、人の色恋沙汰やらには口に挟まないtypeなんだろ?…アンタさっきの言葉と矛盾してるぜ。あぁ、アンタあいつの事が」
「ああそうだよ、あんたの言うとうりだ。そこまでわかってて邪魔しないでくれる?…これ以上旦那を惑わせないで」
「…Ha!大した執着だ。アンタのそーゆーとこ、嫌いじゃないぜ?」
「……ッ!!!」
「……………ッ、」
そう言うと伊達政宗は俺のネクタイを引っ張ってキスしてきた。
俺は思い切り唇を咬んだ。
「、あんた、気でも狂ってんの?」
「勘の良いアンタがそう思うんだ、そうかもな」
伊達政宗は涼しい顔で学校へ戻って行った。あいつが何を考えてるかわからない。行動一つ一つが読めない。気味が悪い。
正直いってあいつが大嫌いだ。
旦那の事は関係なく、心からそう思った。
悪態をつきながら大嫌いなあいつの華奢な背中を見送った