ファイナルファンタジー
□熱い
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何週間前かは色とりどりの花が咲き誇り、いかにも春うららとした雰囲気がアルケイディアに漂っていたのも束の間
「「あっつい」」
第9局の執務室の机で、向かい合いながら座っているベルガとガブラスは、同時に言葉を漏らした。
この前までは春らしい心地よい風が窓を通っていたものだが、今は心地よいと言うかむしろ熱風のような風が吹き抜け、外の景色は青々しい。
完全に夏模様。
「鎧が冷たくて気持ちいい」
「いや日に照らされて熱くないのか」
「それは卿のだけだろう」
ガブラスに言われて自分の兜に触れてみる
「あっっつ!!」
「ずっと日なたにあったからな、」
「(・□・;)」
なら教えてくれたっていいじゃん!
ベルガがそう言うと、ガブラスはクスクス笑う。
普段笑わないだけに、普通に笑うガブラスは貴重だ。
自分より3歳も年上なのに、何故かあどけなく見える笑顔に胸が高鳴る。
どきどきしてきた……!
いや、20年前くらいになるネタを使ってどうするベルガ、しっかりしろ!!
「さあ!書類片付けよ?!まだこんなに残ってんだろ?全部終わったら帝都にでも行って涼んでこう!な!!……ってうわ!!」
自分を落ち着かせようと、暑さのせいで中断されていた書類の片付けを進めた。
だが、目の前の彼女の格好をみて更に驚き、更に落ち着けなくなったのだ。
なんてカッコしてんだ!!
上半身の鎧がほぼ外され、その豊かな胸の全貌が少し動けば見せそうなくらいまでガブラスは脱いでいた。
「おおおおおおおおおおーい!!!まて!!まてよ!!いきなり目の前で脱がれたって困る!!ほら、今すぐ!!服持ってくるから!!し、しめて!!前しめて!!!」
「やだあっついのに(・ε・` )」
「顔文字つけてないで!!!」
とにかく、もうなにがなんだか混乱していたベルガは、取り敢えず楽な服を持ってこようと私服が入ったタンスはどこかとガブラスに聞く。
「上から三番目ー」
とか言うので勢いよくそこを開けると、ほーこれまた派手なレースがついたお洒落な
「パンツじゃねーかー!!!」
「だからと言って投げんのは酷い」
「ほんとのとこは何処なんだよ!」
今度は間違いないと下から3段目を開ける。ちなみにタンスは計7段である。
「おおタンクトップか」
これなら楽だし少しは涼しいだろう。
「おい、これならいいよな。ていうか前閉めろ」
「ああ……」
もういかにも気力のない返事。
ベルガの持っているタンクトップを気力のない片手で受けとり、暫くぼーっとしていたかとおもったら
「着させてくれ」
「はっ?!」
ほんとにこいつには恥じらいというか女性としてのうんぬんかんぬん。
ドレイスが見たらなんと言うだろう行動に悶絶していると、ガタンッという椅子の倒れる音がした。
「ガブラス………ッ?!」
ああよかったおっぱいポロリしてないってそんなことじゃなくてガブラスが倒れていたのだ
「だっ、大丈夫か?!おい!聞こえるか!!」
ガブラスの頬を弱く(他のヒュムだったら並の力で)叩く。
だが、目を覚ましそうな気配はない。よく触れてみると熱があることがわかった。
「すぐ医務室へ…!」
だが熱中症だとこの服装はきついだろうと、服を脱がせタンクトップに着替えさせた。
「(こんなときに戸惑っていられっか!!)」
医務室に運び、ベッドに寝かせ、氷袋を額にのせ安静にさせておく。
途中、ドクターシドが来たが、いかにも怪しい薬品を持っていたので追い返した。
しばらくして、噂を聞き付けてガブラスのとこの9局局員と、他のジャッジマスターの皆と、ラーサー様が来た。
「局長〜!!」
「きょくちょ〜!!」
「死なないでくださ〜い!!」
「うわぁぁぁああん!!」
9局局員らが一番うるさかった。ただの軽い熱中症だといってもこの様だ。余程慕われてんだな。
「ガブラス〜!!あなた…!今度一緒にショッピングするって言ったじゃない!!なんでさきに逝っちゃうのよ〜!!」
「「勝手に死なせんなや!!!」」
やはり一番うるさいのはドレイスだった。
だから軽い熱中症だってば。皆ナイス突っ込み。
「まあ無事らしくて良かったな」
「ガブラスは働きすぎです!兄に仕事を減らせと言っておきます!」
「ところで…なぜ彼女はタンクトップなのだ?」
「ギース…?」
「ベルガ……まさか!」
「ガブラスの……!」
「「局長の半裸をぉぉ!」」
その後俺は旧市街までドレイスとラーサー様と9局局員に殴り飛ばされた。
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なんか最後めんどくさくなったごめんなさいorz
ベルガブいえーい★あ、時期はバハムート戦後で皆生存してたっていう設定で←