novel01
□hours to Moon
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砂漠を歩く。
白い砂漠――
頭の上には、青い空が広がっている。
青い空――
現世は、ココと違って、ひどくざわめきに満ちた世界だった。
この虚圏では、まったく見かけない色と音に溢れていて――
乱雑だ、と思った。
下らない、とも。
虚圏の青い空や光で照らす太陽、夜の白い月や煌めく星は、創造主・藍染が作ったものだ。
彼は、現世に行って初めて、まがい物ではない本物の空と太陽を見た。
――乱雑だと思った。
歩みを進める。
この虚圏に、創造主の求める人間を連れてくるために。
――まもなく、時間だ。
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