それは、まるで麻薬のよう
□あなたのおかげ
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「…ルフィ、ごめんね」
魚人島へ行く船の中、麦わらの一味の航海士が小さな声でルフィに言った。
その声は本当に小さかったが、ルフィ以外のクルーたちにも聞こえていた。
「…?ナミが俺に謝るようなことしたか?」
「んー、強いて言えば…
“何もできなかった”かな?」
不思議そうに言うルフィにナミは小さく笑って言うが、ルフィはその言葉を聞いておらずかんがえていた。
しかし、ほかのクルーたちには伝わったようだ。
「んーーー…?あ、分かった!!ナミ!食料庫の中身全部喰ったんだろ!!」
「ちがうわよ!!
あんたじゃないんだから、そんなことする訳ないでしょ!!?」
“考えて結局それか!?”と、全員がルフィを見る。
その顔は皆明るかった。
「しししっ、やっぱ皆そうやって明るい方が良いぞ!」
そういってルフィは笑う……が、ナミの表情は暗くなる。
「…そうじゃない…わよ」
その声が誰かに届くことはなかった。
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