星の少女
□3.女神
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「よぉ、ミラ。お前で最後だぜ」
陽気に話しかけて来たのは、ガンダムデュナメスのマイスターにしてガンダムマイスター最年長、ロックオン・ストラトス。
既に私服に着替えていて、すっかりくつろぎモードだ。
「他は2人1組だったみたいですが、私は1人でやっていましたからね」
少しだけ嫌味っぽく言ってみるが、ロックオンはハハッと笑うだけだった。
後ろにいたアレルヤとティエリアは何か話しているようだ。
今回のミッションでペアになったから、その反省か何かだろう。
ティエリアと目が合い、アレルヤとの会話を切り上げてこちらに向かってきた。
「ミラ、ご苦労だったな。無論、取り逃がしはないだろうな?」
相変わらず棘のある言い方をすると、ミラは胸の中で小さくため息をつく。
…2人きりの時は別人なのに。
「勿論よ、ティエリア。抗う暇さえ与えなかったから、ご心配なく」
そう言うとティエリアは満足そうに頷き、ヴェーダに報告するべく、ターミナルユニットへ向かった。
そんな彼を見送り、アレルヤがミラに優しく微笑む。
「お帰り、ミラ。1人でのミッション大変だったね。お疲れ様」
いつも温厚で礼儀正しいアレルヤは、こんな幼いミラにも丁寧に接してくれる。
ミラはアレルヤのそういうところが好きだった。
「ありがとう、アレルヤ。…刹那はいないのですか?」
先程から姿の見えない刹那が少し気になった。
まさか彼に限って失敗したとは思えないが、まさか…
「刹那なら部屋に戻ってるよ。次のミッションに向けて体調を整えてるみたいだけど」
「そう、わかりました」
…なんとも彼らしい。
ミラは「ヴェーダに報告する」と言い、ブリッジを後にした。
ティエリアのあとを追うために。