現実逃避
□温度
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何でそうやって悲しい目で無理矢理、楽しいよって顔してるの?
…たかみな?
オフの日にテレビを見てたらみんなが居た。
卒業してから数ヶ月。会える時間はあったのに、自分自身けじめをつけたくてみなみとはあまり会ってなかった。
私が居た頃よりも輝いてるメンバーがいて、微笑みながら見てたのに…
抜かれたチビをみた瞬間に違和感を感じた。
そこからは良く覚えてないけど、
久しぶりのメールで呼び出した。
高橋「お邪魔しまーす♪」
日付が変わる少し前、やっと愛しい恋人がきて、ソファーにいた私の隣に座った。
それからたわいもない話をして会話も少なくなってきた頃。
敦子「たかみな最近楽しい?」
高橋「ん?めちゃくちゃ充実してて疲れハンパないけど楽しいッスよ!」
敦子「ほんとに?」
高橋「?」
敦子「…無理し過ぎて無い?」
高橋「何言ってんや〜笑 高橋は総監督に選ばれるくらいッスよ?こんなのへっちゃらっす‼」
ドヤ顔のチビを私はそっと抱きしめた。
高橋「っ?敦子?え?いきなりどーし「私を見くびらないで。」
テンパるチビに私は囁くように続ける。
敦子「頑張ってなんて言わない。たかみなは頑張ってるから。
私の前ではありのままのみなみを見せて?大丈夫。私はいつでもみなみの居場所だよ。」
高橋「…っ。」
敦子「ごめんね?」
静かに泣き出した恋人を抱きしめる力を少し強くすると、しがみつくように抱きしめ返された。
気付いた違和感の正体…
それは内面と外面の温度差。
気付けばこいつの内面はいつかのようにボロボロで…
ここまで放置した自分に後悔したけど
離れないでと、泣き疲れて赤ちゃんみたいにしがみつく顔を見たら
ひどく安心した自分がいた。