◆a la carte◆

□ハーゲンダッツアイスクリーム
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        ウネ



ピピッ バタン ドタドタドタ

来た。アイツが。


「ひょく!ハーゲンダッツ食べよう!」
「俺、玄関の暗証番号変えたんだけど」
「知ってる。ひょく、どっちの味にする?」
「いやいや、何で知ってんの?どうやって入った?」
「最初開かないからびっくりした。で、何味?」

色々おかしい。

「ホワイトミント&ショコラ?くりぷ、くりすぷちょ、くりぷす、くす、くりぷすちょっぷ、」
「あんだって?」
「あっはっはっ!なんだこれ!言えない!だから、くりぷち、くりすぷちっぷちょれ、お!おしい!」
「あはは!バカじゃん!おしいけど!いや、違う、玄関の話!おかしいだろ」

暗証番号より先に素直におしい!と思ってしまった自分は、かなりドンへにヤられてる自覚はある。



「超うめーーー!」

ドンへがホワイトミント&ショコラ、俺がドンへが噛みまくって言えないクリスプチップチョコレート。

「チョコミントってさぁ、歯磨き粉の味するじゃん」
「え?!しないよ!」
「するじゃん!どう頑張っても歯磨き粉食べてるみたいだ」

納得いかなそうなドンへが「あっ」と何かを思い付き部屋を出て行く。

ちょっと待てよ。アイツ、まさか。
いや、いくらなんでも。



「ぬおぉぉぉ!!」

突然の叫び声と共に廊下を走る音。

「ひょく!マジだ!!同じ味だ!!」

やったよ、この子。

「すげー!」
とか言ってまたアイスを食べ始めたドンへの顔は、新しい発見の興奮に満ちていて。

なんだか、変えた暗証番号のことを問い詰める気をスッカリ無くした俺にドンヘがわざわざ蒸し返して言った。



「ひょくさ、なんで暗証番号変えたの?」
「あー、防犯のため?誰かさんお構いなしにドカドカ入って来るし」
「勝手に変えるなよ」
「俺んちだし!っていうか!なんで番号分かったんだよ!」

そうだ、それが問題だ!

「うーん。じゃあおまえが食べてるそのアイスの名前、ちゃんと言えたら教えるよ」
「なんでだよ!」
「あっはっは!面白いから!マジ難しいよ。早く言ってみ?」
「言えるし」
「ほんと難しいんだって」
「おまえみたいに言葉危うくないから」
「だから言ってみろって」
「は、面倒くさい」
「はやく」
「くりすぷちょこっぷ、あ」

噛んだ。


ほらなー!って2人でゲラゲラ笑って、バシバシ叩き合って。

「どの番号に変えても俺、ひょくのことなら何でもわかるからムダだよ」

って、めちゃくちゃカッコいい顔でサラッと怖いことを言われた。



ドンヘのデビュー日を反対から並べた数字にしたのに。
なんでわかったんだろ。










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