kyumin U
□愛しさのカケラ @
1ページ/3ページ
「ヒョン・・・俺・・そんな・・・」
「うん、分かってる。ごめんね」
ソンミニヒョンがふんわりと
寂しそうに、悲しそうに笑った。
「キュヒョナ、愛してるよ」
「俺も、愛してますよ」
それまでごく普通の兄弟や家族で交わされるような会話として、何度も繰り返し使って来た言葉が
それとは別の意味を持っていたなんて
知らなかった。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
いつものようにワインを飲み、いつものように他愛もない話をして、そしていつものように『愛してる』と言い合う。
「あのね、きゅひょな・・・」
可愛い顔を桜色に染め、俺の肩にもたれ掛かるヒョン。
きっとまたヒョンの“好きな人”とやらの話か
こんなに甘い顔して、甘えた声で語るのは、一体何処の誰のことなんだ
ステージ上で見せる格好つけたヒョンとは全然違う表情
ずっと一緒にいるのに、それが誰のことか分からないなんて
こんなにも想われている人がいるなんて
なんだかちょっと悔しい気がして、つい言った。
「ヒョン。俺、今日告白された」
「え?!」
「そんなに驚くことないでしょ。俺だって一応イケメンアイドルって言われてるんだから。今は」
多少の自虐も込めた笑い話のつもりが、ヒョンはクスリともしない。
「そっか・・そう・・・だよね。・・・・付き合うの?」
「うーん、どうかな。可愛い子だったけど、全然知らないし」
「・・・・」
肩にもたれ掛かるヒョンの身体が少しだけ重くなる。
「ヒョン?もう眠たい?」
「キョヒョナ、あのね・・・」
見れば熱のこもった目で肩先から俺を見上げている。
いくら男同士でも、そんな潤んだ瞳で真っ直ぐ見つめられたらさすがに・・・
なんだかちょっと・・・
妙に照れてしまった俺は目線を逸らして問い掛けた。
「ソンミニヒョンは?好きな人とはどうな、の・・・」
.