▼other
□xoxo
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「ん…ふ………ん…」
長い舌を伝い唾液が送り込まれて来る。
その舌に吸い付き、絡め、追いかけるようにねだる。
赤い舌を見せながら焦らすように一旦離れようとする唇に
「もっと…」
と、引き寄せたくて手を伸ばせば
手首を捕まれ、そっとそれを阻止された。
とろけるような優しい抱擁も
愛撫のように髪に絡ませてくれる指も
深く色濃い瞳も
恋や愛を
少しも含まない情愛だけの口付け
それでも
その熱が欲しくて
自分の中の熱を放ちたくて
何度も求めて溺れていく
∞∞∞∞∞∞∞∞
―ヒチョルヒョン、今から少しだけお邪魔してもいいですか?―
メールで様子を伺うと
―どうぞ―
と、一言だけ返って来た。
12階に上がり、ヒョンの部屋をそっと開けると
ヒボムたちと戯れていた綺麗な顔がこちらを見上げる。
「どうした?珍しいな。なんかあったか?」
僕は黙ってヒョンの隣に座った。
何も答えない僕に、ヒョンは一瞬眉をひそめたものの、そのまままたヒボムのお腹を優しい顔で撫でていた。
少しの沈黙の後、僕は言った。
「ねぇ、ヒチョルヒョン……キス…して」
「……なんで?」
無表情のヒョンが答える。
「…………したいから」
あの日、ステージ上でヒチョルヒョンにキスされてから
僕の中の熱が消えない。
いつまでも静かに燻っている。
心の中を覗くように、気持ちに触れるように
僕の顔を黙って見据えるヒョンに、僕は思わず俯いてしまう。
その後
あのステージよりも
濃厚で
深くて
長い長いキスをしてくれた。
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