§hanchul§

□on ur bed
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「ねぇ、もう少し近くに・・・」



昔は猫のように丸くなって

俺の身体のどこかしらに触れてないと安心して寝なかったのに

今ではすっかり平気になってしまっているその姿が


少しだけ寂しい







「昔はヒチョルからこうやって俺のベッドに潜り込んで来たのにね」



後ろから抱き締めてサラサラとした髪の毛に顔を埋める









「俺をいくつだと思ってんだよ。兵役にも就いてる立派な大人の男だぞ」



フッと呆れたように笑うヒチョルが面白くなくて

そのまま白い首筋に噛みついてやった





「・・・ッて!!!痛ってぇな!!何すんだよ!!」


「お前が悪い」


「なんで!!」


「可愛くないから」





離れている距離がもどかしい


もっと触れたいのに

もっと独占したいのに

もっとその瞳に俺を映したいのに



お前だけがその距離に慣れていく








「離せよ」


「イヤだ」


「離せって!」



俺の腕を掴む手に力が篭り、胸元からぬくもりが消えた









「ハンギョン、お前・・・」


ふわりと甘いかおりがして

再び胸元にぬくもりが生まれる




「たまにしかこっち来ないクセに。俺のベッドにいる時くらい、俺に従え」



向かい合うように腕の中に戻って来たヒチョルは

俺の手のひらを自分の頬に当て、吸い込まれそうな瞳で俺を見つめ微笑んだ








「後ろから抱かれたら顔が見えない。ゆっくり顔、見せろよ」







何年経っても

どれだけ愛しても


俺はお前との距離に慣れない



声を聞くことすらままならない遠く離れている距離も


同じベッドで抱き締めあいながら眠る距離も



遠くても、近くても、その距離がいつまでも心の奥を締め付けるんだ






嬉しそうに微笑むヒチョルの顔に、心臓がトクントクンと心地好いリズムを刻む





「ヒチョルは綺麗だね」


「バカ。今はもうそんな感じじゃないって」







そう笑うヒチョルは本当に綺麗で






どれだけ俺が愛おしく思っているか



お前に伝わるように、胸の鼓動を聴かせたくて






二人の距離がゼロになるように強く抱き締めた






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