kyumin V

□どこまでも勝手な僕の感情∞
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誕生日が見せた

世界で一番

甘く、美しく、そして切ない、幻想的な夢だと思っていたそれは



もう一度目が覚めた時、現実だったのだと知った









奇妙な温かさの中で目を開けた時に見えたのは、見覚えのあるトレーナーを来た誰かの胸元

頭のてっぺんにかかる寝息に、恐る恐る顔を上げる



その温かさと寝息の持ち主は、何故か僕を正面から抱えて眠っていた





止まる思考回路

硬直する体



また目を閉じたら、次は一人で目覚めるだろうか―











何度も名前を呼んで貰った

キスをして、抱きしめ合って

夢だからこそ、その刹那に溺れた








―これは

どうするべきなのか











別に一緒に寝るのは初めてじゃない

キュヒョンの部屋がまだなかった時は、寒さに震えて耐えているのを見かねてベッドに入れてやった


海外でスタッフがホテルの予約をミスった時は、僕とキュヒョンが同じベッドを使ったこともある




だけど、これはあの時とは明らかに状況が違う



どうしたら・・・













「ん・・・今、何時?」


頭のてっぺんから降る声に

咄嗟に寝たふりをする僕





「ちょ・・また寝たふり・・・ねぇ、お腹空かない?何か食べようよ」


「ぼ、僕お腹空いてないから!」


「やっぱり起きてる・・じゃあ何か作って」


「なんで僕が、――っ」



思わず顔を上げると、キュヒョンの顔が目の前にあって


怖くなるくらいに心臓が騒ぎ出す








「俺、パスタがいいな」

キュヒョンはそう言いながら、腕に力を込めて僕を抱き込んだ





キュヒョンの胸元に押し付けられたことで感じる、いつもより強いキュヒョンの匂いに頭がクラクラする





「分かった!分かったから、はっ、離して!」


















リビングのソファーに見える寝癖だらけの頭


いつからか、特に僕に対して態度が大きくなってた

それは頭に来ることもあり、妙に嬉しくもあり








同じ男に対してこんな感情を抱くようになって、最初は絶望した

僕はまともじゃないんだと、自分を責めたりもした









それがどうしてこんなことに・・・










「ねぇ、まだ?」






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