暗部のモブ
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「無事を、確認したくて⋯」
「(んんー)」
真っ直ぐな好意を前に人は無力。目頭を押さえ天を仰ぐ私の目の前に立つこの少年は、はたけカカシ。血縁関係はないが、訳あって同居のようなものをしている。
「でも、カカシだって任務が控えてるんだから」
「⋯はい」
「⋯⋯」
こうも素直に落ち込まれると、決めの一手を出す気が引ける。が、言い聞かせる時は心を鬼に。
「⋯エイさ──」
「怒ってないからねぇ!」
どうにも私はこの子に弱い。しゅんと縮こまる彼の発言を遮るように些か食い気味な許容の意を示せば、ホッと息を落とす姿が胸にきて、衝動的に抱き寄せ頬を合わせてしまったが、それに抵抗するでもなくくすぐったいと笑ってくれるこの子に庇護欲が生まれてしまうのは、自然の摂理と言って過言ない。
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