太陽と月のフィロソフィア
□絶望なんて
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始まる前
『苗木、大丈夫だから』
俺はそわそわとして落ち着きのない苗木をなだめながら、カプセルに入る。
「で、でも・・・もしかしたら・・・」
『・・・信用がないのか?』
「ちっ違うよ!ただ椿ちゃんたちが・・・」
『心配、か』
苗木はうっ、となりながらも
「そりゃそうだよ!・・・もしも、うまくいかなかったら・・・」
『お前の取り柄は考えが前向きなことだろ?』
「でも・・・」
『大丈夫、うまくいくさ』
そうだろ?と言えば渋々と
「うん・・・」
と返してくれる。・・・お前は女子か。
そんな心のツッコミを口には出さないで、笑顔で苗木に
『いってくる』
と言えば、
「・・・行ってらっしゃい」
と微笑んで返してくれる苗木を見ながら、俺の意識は遠のいた。