太陽と月のフィロソフィア

□どっきどき修学旅行
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何処でどうするか


さて、俺たちには素材を探して指定されたものを作るとアイテムが貰えるイベントがある。
・・・夏音は夜時間に行動が出来るから基本除外だが。
「らーぶらーぶ度」だったか?
あれが上がる「おでかけチケット」が貰えるんだ。
・・・希望のカケラには関係ないらしいが。
正直どういうシステムなんだ。
俺は制作に関わっていないし、出来た直後ある程のルールを苗木に説明されたのみなのだ。
しかし、思考するのは簡単だ。
希望のカケラを集めつつ、らーぶらーぶ度を上げることで交流を増やすことができる。
更正させるには十分な要素だ。

・・・絶望病に気を付けなければならないな。
どうやらバグなのかは分からないが、稀に絶望病を発症することがあるらしい。
心の病気であることに間違いはない。
・・・初期症状が風邪と変わりないのには驚きである。
しかしそれさえも越えなければ。
絶望は希望に変わり希望は絶望へ。
希望があるのだから絶望があり、
絶望があるのだから希望があるのだ。

厨二病的な発想になってしまったが、心理的に考えればなんら代わりはないのだ。

ここまで思考を進めていた頃、彼らの分担が決まったらしい。

「庵楽には採集をやってもらっていいか?」

『わかった。場所は』

日向の言葉にすっと返していく。

どうやら俺の担当は海らしい。
貝殻目当てのようだ。
・・・しかし、何故俺一人になるのか。
柄がそんなに悪く見えたのか。
分かっていたことだか、地味に傷つくぞ。

俺はもう周りのことなんて気にせずに採集が終わって自由時間になったら何処でどうするか・・・ということを考え始めるのである。
いつもそんなことを続けていたから。
だから友達も少なかったのだろう。
そんなこと分かっているから。
・・・キッカケさえ俺にはいらないと。
そう思っていたから。

これから起こることが俺を変えるなんて思いもしなかったんだ。
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