返信・雑話


◆弁慶夢その後 [追記]

主人公を引き渡すよう望美一行は彼女の両親に詰め寄るが、主人公への罪悪感と親の愛情に走る両親らはそれを拒否。
この子のせいで世界が滅ぶならば、それで構わない。親は最後まで子供の味方で、今までその全てを蔑ろにしてきた彼女への贖罪だ。と望美たちは追い返されてしまう。
そうしている間にも怨霊は増加し、人々が危険にさらされていた。

増える怨霊、朔と黒龍の力も限界が見え始めた休暇の終わり、とうとう無理やり主人公を親から引き離す事を決意。
彼女から荼枳尼を切り離したところで、既に離れられない程一体化が進んでしまった主人公に残されていたのは死の運命だけであった。

荼枳尼と肉体とを切り離し、そのまま人として崩壊して死を迎えるか、そのまま荼枳尼として一瞬で楽にするか。
その選択を選ばざるを得ない望美一行。逆鱗は破壊していたため、もう運命を戻す事は出来ない。

最終的に選んだのは、弁慶が彼女を連れていくという選択だった。
彼が傍にさえいれば、主人公は微かに残った人としての自我が取り戻せる。
とはいえ表に出せば望美は必ず拒絶するため、久方ぶりの策を巻き、味方を騙し、弁慶は彼女と共に死を選ぶのだった。「もう、待つのは嫌なんです。共にいきていきましょう」と。

荼枳尼の消滅によって怨霊が消えると同時に、時空の歪みも正されていく。
朔の叫ぶような声と共に元の世へと戻された一行と、残された望美と譲、そして(かの世界には戻れなかった)将臣。

空にはただ、今にも雪が降りそうな真っ白な色が広がっているだけだった。

END

2017/11/05(Sun) 12:13

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