放浪記っ!
□疾風と雪
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逃げるように奥州を後にするのはこれで2度目だ
なんとか気を保って、政宗に手刀を喰らわせて気絶させ
とりあえず服だけを持って温泉を出た
今になって、小十郎に声を掛けてけばよかった……と後悔したが、後の祭りである
「さむっ……」
服だけはなんとか着たものの、まだ髪は濡れたままである
「もう政宗さんのとこなんて絶対行くもんか……あ」
……何か忘れてる気がする
でも服は来ているし、 最低限の苦無やら手裏剣その他暗器もろもろ。
あとは……うーん
「………お金?」
ハッとして、ごそごそと探してみるが見つからない
ああああああ!
うつさんから貰った大切な食費がない!
ここまで来るあいだに落とすなど、そんなヘマ……するはず………
「奥州かぁああああ!!」
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