放浪記っ!

□蒼色の期待はずれ
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かぽーん。




肩まで浸かりながら、ゆったりとした時間に浸る

……忘れてしまうかもしれないが、雪華はれっきとした忍ですよ、



「定期的に確認するよ!」


ふぅ、
そろそろ出ようかな……
身体もあったまったことだし


そう雪華が腰をあげようとしたのと同時に、何かの気配を感じて、再びザブンと湯に浸かった


……人?ひとりかな


まさか湯浴み中に侵入者が来るとは思わず、獲物は一つ持っていないが、

一人ぐらいならば素手でもどうにかなるだろう、


そう思って姿を現すのを待つが、現れたのは思わね人物だった



「雪華!一緒に入ろうぜ」


来たのは腰に布一枚巻いただけの、変態だった。




「…へ?………え?」


あまりに突然のその流れに、驚いて言葉を失っていると

それを承諾したとでも取ったとのか、まだ雪華が入っているというのに、平然と湯に入ってきた



「へっへへへんた……」

「あー…極楽」



えぇ、さっきまではそうでした
ついさっきまでは!


「な、なんでここにっ…」

「Ah?いや城ん中探しても見つかんねぇから小十郎に聞いた」



こ、小十郎さぁああん…!
こうなることは薄々気付いてたから政宗さんには何も言わずに来たのに!




「出てけっー!!」

キャーキャーと叫びながらバシャバシャ政宗に向かって湯で猛攻撃。


「ばっ…Stop!それにここは俺の城だぜ!?」



おうふ!そうでした!


肩まで浸かって動けないことをいいことに、
ずんずんを近寄ってくる(迫るとも言う)
政宗から逃げようと後退るも、なんせ湯の中。

逃げ場がない


それに雪華は裸同然だというのに、対して変態さんはというと、腰布と眼帯。
……装備負けだよちくしょう!



「………ひぃっ」

「何一人で百面相してんだ?」

「近い!」



ぐいっと顔を寄せられて、つい顔を背ける


いくら温泉が濁っているから見えないと言っても、こんな近距離

しかもずんずん寄ってくるのだ

恥ずかしいというよりも恐い、恐い。

その上雪華は既に何十分も浸かっているのだ、のぼせてしまう




「雪華?」



おかしい、
いくらのぼせかけているからって、
動悸がおかしい




「まさっ」

「all right?」

「………………………帰る」




ごめんなさい小十郎さん、
やっぱりダメでした。





next。






全然話が進まない
2012.10.30 管理人、灰陸
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