放浪記っ!

□災難逃れて
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「ひとつ聞いてもい?」

「ん?」




かすがが煎れてくれたお茶を一口飲んで、慶次と向き合う

うん、お茶うまい


理由はわからないが、慶次を邪険に扱ってはいるかすがだが、
何だかんだで慶次の分のお茶も用意している

そういう所もかすがのいい所だ




「慶次とかすがって、どんな関係?」

「ぶふっ!!」

「な、ななな何を言っている!!」

「え…なんか気になって」



本当にただ何となく聞いてみただけなのだが、
慶次は飲みかけていた豪快にお茶を吹き出して、
かすがはというと見事に赤くなった



「わっ私は…謙信様だけだ…!!」

「え、何の話……」




真っ赤になりながらかすがはそう叫ぶと、
持っていた自分の湯呑みの中の、煎れたての熱いお茶を
何故か慶次にぶっかけた




「ぶぅわっちぃ!!」

「かすがっ!?」

「ちがうんだぁあああ!!」


どうやら自分はいらないことを言ってしまったらしい

うわぁああ!!と珍しく取り乱しているかすがは、そのまま顔を手で隠しながら出ていってしまった












「………なんか余計なこと言ってごめんなさい」

「いいって!」



お茶塗れになってしまった慶次を拭くのを手伝いながら、そう謝った


あんなに動揺してるかすがを見たのは初めてな気がする





「………」

「………」



き、気まず…!
どいして自分は空気を読むことができないんだろうか


「えっと…雪華ちゃんも忍なんだって?」


気まず空気を紛らわすように、慶次はそう聞いてきた


「うん」



一応忍です、一応
大切なことなので二回言いました



「大変だねぇ」

「んー…それなり、に?かな」




つい最近転職したい(泣)とか思ったりしちゃいましたが




「慶次さんは何してるんですか?」

「え」



何気なく聞いただけなのに、慶次はその質問に固まってしまった


こ、これも聞いちゃアウトだったろうか




「け、慶次さー…ん?」




………空気読む練習しようかな




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