放浪記っ!

□災難逃れて
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しばらくかすがの部屋で、近況報告などしながら雑談していると、
ふいにドカドカという大きな足音と共に、いきなり襖がスパーンと開いた





「かっすがちゃーん!何して…って危な!!」

「慶次…貴様……勝手に入ってくるなと何度言ったらわかる!!」

「かすが?」




派手な格好をしたお兄さんが現れて、かすがはその人に向けて、
問答無用に苦無を投げた



その人はよっと、とギリギリの所で苦無を避けると、間抜けにびっくりしたーと小さく言った



いやわたしもびっくりしました

……かすがは本気で当てにいったつもりではないようだけども




「ん、あれ?誰この子!?」

「なっ雪華に近付くな!」


慶次、と呼ばれた男は自分に気付くと、
興味津々に雪華を見た



するとどうしてか、かすがはは庇うようにして自分を抱きしめた




「おふっ」

「雪華ちゃんかー」

「寄るな!汚れる!」

「……さすがの俺でも傷つくって…」



なんか慶次さんの扱いがひどいです



「改めて、俺は前田慶次!よろしく」

「せ、雪華です……?」

「口を交わす必要なんてないぞ」




むぎゅっ
強く抱きしめられて、自然んとかすがの胸が顔に押し付けられる形になった

う、うれしいけど息!息が……!!



「かすがちゃん……死にかけてるって」

「あ、すまない」



慶次がそう言ってくれたおかげで、ギリギリの所で解放された


今のは本当にやばかった
かすがの胸って意外と凶器!



「で、雪華ちゃんはかすがちゃんの友達?」

「うん」

「慶次には関係ないだろう」


思ったことがひとつ。
……なんかかすが慶次さんに冷たい?



「で、なんで普通にここに居座っているんだ貴様は!」



いつの間にか、当たり前のように三人仲良く?座っている

正確には慶次は腕を立てて寝転がっている


いやぁかすがちゃんの友達かぁ…と雪華を見て笑う慶次は何だかじじ臭い

言わないけどね




「友達なんてものじゃない、雪華は私の妹も同然だ」

「ふ、ふへへへっ」

「雪華ちゃん顔!顔!!」



嬉しすぎて思わず破顔してしまいますた




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