放浪記っ!

□行く先難ばかり
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というか、
何故にここに奥州の伊達政宗が!?



「も、もしや上杉を攻めに!?」


それはいかん!と地に伏せたまま身を固くすると
政宗と、その後ろに控えていた男は「は?」と眉をしかめた


なんぞその反応は、


「……ちがいます?」

「当たり前だろ」



何言ってんだ、お前と顔に書いてあるのが見え見えで、無性に恥ずかしくなってきた


し、しかしならばなおの事、
なんでここに伊達がー…ん?




「つかぬ事を伺いますがここって「奥州だ」


ご回答ありがとうございます
そして再びぽかん。



すると政宗の後ろにいた、頬に傷のある人がここで何してやがる、と言った


政宗も同じく、それを聞こうとしていたのか、腕を組みながら顎で先を促した


どうやら絶対に返答しなきゃいけないみたいだ


下からこうやって見上げていると、すっごい柄の悪い人に見えなくもない


…そんなこと口にできないけど



「こ、ここは越後じゃ…」

「おう、奥州だぜ」

「なん…とな……」



雪華終了のお知らせです。
最後の頼みの綱であったというのに



「なんという…!!」

「what?」

「ごはんを食べられると思って…それだけを気力にここま来たのに……」



空腹ももう限界だ
まさかここが越後でなく、
奥州だという言葉に、一気に体の力が抜けた


「ぁああぁぁああああ」

「…大丈夫か(頭)?」



大丈夫なわけがない…
くっ…ない頭をフル回転させるんだ!
かすがという頼みの綱がない今、
この危機的状況から脱するには、目の前にいる政宗にしか他ならない

……なれば



「伊達さん!」

「うぉっ」

「政宗様!?」

「ど、どうかお恵みをォォオオオオ!!」



とっさに政宗の足にしがみついて、そう叫んだ
自尊心が何だとかはとりあえず後だ、
何事も今が肝心!



「死にそうなんです…!!」

「……ok、とりあえず城に来な」


政宗のその言葉に、
助かった…!と腕を離して立ち上がろうとした瞬間


「あ」


いきなりぐらりと視界が揺れ、目の前は真っ暗になった
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