放浪記っ!
□行く先難ばかり
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冗談抜きで危機的状況ですぞ
とにかく今はお腹のことよりも、ここから抜け出さねばならぬのだが、
空気を読まない脳天気な己の腹はぐぅーと鳴りつづけている
「なんか食べたいなぁ…」
グズグズしていたら、日が暮れてしまう
そうなってしまえば、森を出る事以前に、食料を探すのがもっと困難になる!
…となれば最終手段か
ちゃちゃっとこの森を出て、現在地が何処なのかわかんないけど
佐助かかすがにどうにかして恵んでもらうか……
「……佐助ぇ?」
ぷぎゃーっ!!
だーれが佐助なんぞに惨めに乞うもんか!
これでも自分にだっていっちょ前に自尊心というものがある
昔のトラウマの事もあって、
やはりここはかすがに……と決心すると
最後の体力を振り絞って枝から枝へと軽やかに飛び移った
どうだ、カッコイイだろ!
……なんてね
「っと、…今は上杉にいるんだっけ」
日が落ちていく方向とは逆に駆けていきながら、期待に胸を膨らませていた
……越後はお米が美味しいんだっけ?ふへっ
想像しただけでよだれが……じゅるり