東軍

□きっかけなんてそんなもの
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「ふたりともひどい」



自分で自分をかわいいなどと思ったことはないが、さすがにそう言われるとグサッとなる、うん


おにぎりを食べながらそう呟けば、家康はそうだなぁと箸を置いて



「雪華のその大食いっぷりは嫌いじゃないぞ!」


と輝かしいばかりの笑みで言った

しかも大きな声で。


たしかに人よりかは食べるかもだけど、別に大食いってほどではない、断じて



「家康だってばかみたいに食べるくせに」

「儂か?男だしな、普通だろう」

「阿呆、貴様を基準にするな」

「そーだそーだ!三成に同意!」


その量で普通だったら三成はどうなるんだ!
今でも少ないというのに


まぁでも最近は小さな弁当箱を持ってくるようにはなったが、
それでも三成は「もう要らん」と言って、弁当のおかずを雪華の弁当箱に入れてきたりする




「見た目からして食べそうだしね」


筋肉がね、すごい


「よく言われるがなぁ、というか誰からだったんだ?手紙」



ぎくっ


ははは!と笑う家康を一瞬箸で刺したくなった

あまり考えないように、いつもみたくご飯タイムを満喫しようと思っていたのにこの男は……!!



「……名前書いてなかった」

「匿名か!」



当事者よりも楽しんでるってどうなの!

……しかし差出人不明のラブレターは、困るとか嬉しいとか関係なしに、ちょっと不気味だ



「…刑部の所へ行く」

「あ、いってらっしゃい」



少ない昼飯を食べ終えた三成は、そう言って席を立った
色恋話に興味がないのは相変わらず

三成は気にならないのか?と言う家康の声には答えないで、そのまま教室を出て行った



というか家康声おっきいてば





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