西軍

□嫉妬的愛
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「雪華!!」

「ひゃい!」




突然自分の名前を叫ばれて、雪華はびくりと小さく跳ねた


名前を呼ばれただけの反応にしては、多少大げさに見えるかもしれないが、
そうならざるおえないのだ

三成の声の声量と張りには、
未だに経っても慣れない



ギギギと効果音がついていそうな程、雪華はゆっくりと教室の後ろのドアを振り返った


「…ひぃっ」


なにか知らないけど怒ってる
あの顔はめっさキレてる



ただでさえ通常時の三成の表情は、お世辞にも優しい顔だとは言えないというのに、

その上ぶちギレている時の三成の剣幕といったら……鬼です。



「ひぃとは何だ、ひぃとは!」



クラスが違うというのに、そう言いながら(若干怒鳴りながら?)教室に入ってきた三成は、
真っ直ぐと雪華の席へとやってきた


ちなみにまだ放課後になったばかりだ
HRも終え、真っ先に自宅へ帰っていくものと、
部活に行くものと別れるめのだが、

それでも三成が教室に顔を覗かせた今は、少しとは言い難い人数がまだ教室に残っているのだ

しかも『凶王』と有名な三成である
当然の事、教室は静まりかえってしまっている





「な、ななな何でしょうか三成…さん」

「何故さんをつける!」

「ひぃっごめんなさい!!」


さっきから理由はわからないけど謝ってばかりだ


三成もそれが気にくわないのか、更に眉間を険しくして
バン!と雪華の机を両手で叩いた



「ごめんなさいごめんなさいっ…」

「なっもういい!……それ以上意味のない謝罪をすることは許さない」

「……え?」




でも怒ってるんじゃ…と恐る恐る三成を盗み見すると、

少し落ち着いたのか、はぁと一息ついて
とりあえず帰るぞ、と静かに言った

と、とりあえずて…

状況がまったく把握できないまま目を白黒させて、三成は一体何に怒ってたのか聞こうとした雪華だが、
その言葉もう一人の声によって阻まれた




「………おいおい、石田と雪華って付き合ってんのか?」


三成が落ち着いたのを見兼ねてか、教室の後ろの方からふいに2人を茶化すような声が聞こえた



うっわ恥ずかしい……!

等と思いながら、三成が遅い!と言い出さない内に黙って教科書やらを鞄にしまっていると

三成はその教室の後ろの方を見て



「私と雪華が交際していたら何だ、雪華は誰にもやらん………というか誰だ貴様は」

「sit…石田!!いい加減覚えやがれ!」

「知らん貴様になど興味はない」

「み、三成……政宗くんだって(推計6回目)」





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