放浪記っ!

□疾風と雪
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***






まったく…
髪ぐらいしっかり乾かせといつも言っているだろう


「…かすが……?」


風邪でも引いたらどうするんだお前は…


「んー大丈夫だよぉー」

「……」

「…あり?」



どうやら自分はいつの間にか眠ってしまったらしい

…いや、今はそれは置いておこう。

問題なのは……



「……」


何故か自分、先刻合った忍に髪を拭かれている


「え」


こ、これは一体どういう……

つか…全っ然気付かなかった!



わしゃわしゃ



依然無言のままの名も顔も知れぬ(兜で見えないから)忍を盗み見する

…全く掴めないのでとりあえずされるがままになる

その手つきは粗っぽくなけ、むしろ優しい

なんか…小動物になったみたいだ……

うん、さっきかすがの夢を見たのはこういうことか…



「…ど、どちら様…?」


思い切って尋ねてみた。


「……」



おうっふ無言…!
雪華悲しくなっちゃうよ!

ぶれいくんはーとぅしながらため息をつくと、髪を拭いていた手が止まった

ん?と忍さん(仮)を見ると、その忍さんは声を出さずに『ふうま』と言った



「ふうま?」


聞き直すと、忍さんは小さく頷いた

ふうま…ふうまかぁ……
どっかで聞いたこと…



「ふうま…風魔きょたっ…小太郎!?」




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