放浪記っ!
□疾風と雪
4ページ/7ページ
……え?
音もなく現れた朱色の髪の男に、雪華は言葉を失った
…………え?
不意をつかれたとはいえ、全く気配を感じなかったのだ
恐らく忍であろうが、自分は今丸腰同然である
つまり危機
よく言ってもピンチである
内心動揺しまくりであるが、なんとか悟られぬように表情を殺す
すると何を思ったのかその忍は、
「…………え?」
何も言わずに雪華の髪にくしゅりと触れた
その動きに殺気はまるでなく、呆気にとられていると
忍はファサッと黒い羽を残して消えた
「……(´゚Д゚`)……。」
な、謎過ぎる……!
忍が去ってから、バクバクと鳴り出した胸に手を当てて、なんとか深呼吸
い、一瞬おばけかとおもた……
「ややややばかった……政宗さんなんかより絶対危なかった…!!」
うおぉおおー……
寒いし怖いよぉお
色んな意味でガタガタブルブルだ
「……誰…だったんだろ」
あんなすごい忍、心当たりがない
気配もまったく感じなかったし
「ま、まさか…!……いやいや」
そんなはずはない
だってあの人は伝説の人だし……実際にいるはずないし
まさかその予想が合っているとは思ってもみない雪華は、
寒さに震える肩を抱きながら、木の根元に腰を下ろすと膝を抱えた
さっきの忍は自分に敵意はなかったようだが……多分
なんか知らないけど頭触られたけど
「心臓に悪いのはよくない……ぶつぶつ」
かなりガチで恐怖でした。
→