放浪記っ!

□疾風と雪
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……え?


音もなく現れた朱色の髪の男に、雪華は言葉を失った

…………え?

不意をつかれたとはいえ、全く気配を感じなかったのだ

恐らく忍であろうが、自分は今丸腰同然である

つまり危機
よく言ってもピンチである

内心動揺しまくりであるが、なんとか悟られぬように表情を殺す
すると何を思ったのかその忍は、


「…………え?」


何も言わずに雪華の髪にくしゅりと触れた
その動きに殺気はまるでなく、呆気にとられていると

忍はファサッと黒い羽を残して消えた



「……(´゚Д゚`)……。」

な、謎過ぎる……!
忍が去ってから、バクバクと鳴り出した胸に手を当てて、なんとか深呼吸


い、一瞬おばけかとおもた……


「ややややばかった……政宗さんなんかより絶対危なかった…!!」


うおぉおおー……
寒いし怖いよぉお

色んな意味でガタガタブルブルだ


「……誰…だったんだろ」

あんなすごい忍、心当たりがない
気配もまったく感じなかったし


「ま、まさか…!……いやいや」


そんなはずはない
だってあの人は伝説の人だし……実際にいるはずないし

まさかその予想が合っているとは思ってもみない雪華は、
寒さに震える肩を抱きながら、木の根元に腰を下ろすと膝を抱えた


さっきの忍は自分に敵意はなかったようだが……多分

なんか知らないけど頭触られたけど







「心臓に悪いのはよくない……ぶつぶつ」

かなりガチで恐怖でした。



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