dream

□プロローグ
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「あれ?臨也さんっ何してるんですか?」


夕日に染まる新宿のとあるマンションの一室の中、真剣な表情をする男の人。
爽やかな好青年という印象を与える顔つきのまさに眉目秀麗といった雰囲気。
全てを包み込むような暖かな目をこちらに向けずに口を開いた彼、折原臨也<オリハライザヤ。

「やぁ、今日の仕事は終わった?大変だっただろう?」

葉流のことを気遣ってくれる優しい言葉、 葉流 の存在を必要としてくれる人。
静かな部屋に響いたその声は、脳を侵食して優しく響いた。


「はい、完了しました、約束の物はこちらに。お気遣いありがとうございます。」

そう言って見た目よりはずっしりとした重さのある小包を差し出した。
臨也はそれを受け取り中身を確認すると、笑顔を向けて 葉流を手招いた。
その仕草にドキッとして胸元を握り締めながらも、デスクを挟んで座っていた臨也のそばに行き膝をついた。
急速に目頭に熱が集まる感覚、胸を刺す小さな痛み。
私を見下ろして嬉しそうに口角を上げた臨也さんは、片手でガッと私の頭を押さえて耳元に唇を寄せると囁いた。








その言葉はたったそれだけだったけど、私にとっては全てだった。
やっぱり私の世界にはこの人しかいなくて、この人が全てだった。
私を肯定するコトバ








「イイコだね、 葉流」





それで闇に引き釣り込まれたとしても
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