素晴らしき頂き物v
□会いたい思い
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白虎は晴明のたくらみに気付いて、怒る事なく紅蓮を連れて来た。
白虎はまだ固まっている紅蓮を無視し、木に寄りかかって座る。
紅蓮は晴明に怒りをぶつけに行こうかと思ったが、白虎が気にしていないのだと思い、行く事をやめた。
「紅蓮」
白虎が名前を呼ぶと、紅蓮は物の化の姿から本来の姿に戻り、白虎の傍に近付き自ら白虎に抱きつく。
「会いたかった」
紅蓮の身体は少し震えていて、白虎は紅蓮を腕の中に閉じ込めた。
そして優しく紅蓮の頭を撫でる。
「会えなくて寂しかったんだ」
紅蓮は白虎の腕の中、という事に安堵し、今まで思っていた事を言う。
「会いに行こう・・・・て、何度も思ったんだ。だけど会いに行ったら迷惑なんじゃ・・・て、昌浩に心配されるほど、俺落ち込んでたみたいでな。そんなんじゃだめだって・・・・・.」
白虎は何も言わず紅蓮を見つめ、軽く溜め息を吐く。
紅蓮は何か悪い事を言ったのかと不安になり、白虎の服を握る。
「素直に会いにくればいいものを・・・・。いつ俺が迷惑だと言った?寂しいと思う前に会いに来い」
「白虎」
白虎な不安そうな紅蓮に優しく笑うと、
「まあ、会いに行かなかった俺も悪い。お前だけを攻める事は出来ないな」
そう言って紅蓮の頬を優しく撫で、
「すまなかった。寂しい思いをさせて」
「なっ!!白虎は悪くない。俺が・・・・」
最後まで言い終わる前に、紅蓮な白虎に口づけされる。
軽く触れただけで離れると、白虎は紅蓮を抱き締め
「俺のせいにしておけ。お前が自分のせいにするといい事がないのでな」
優しい口調で言われ、紅蓮の心は満たされていく。
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