素晴らしき頂き物v

□会いたい思い
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「今日は俺も暇なの。だからもっくん好きな事しててよ」

「いやでもな」


それでもまだ何かを言おうとする紅蓮に、昌浩は溜め息を吐いて


「気が利かないなぁ、もっくん。俺今から彰子と二人で勉強するの」

「・・・わかった。今日はのんびりしとく」

「わかればよろしい」


昌浩は紅蓮を降ろすと「じゃね」と言って走って行った。

紅蓮は紅蓮で、何もする事が無くなると知り、晴明の部屋へ行く。

晴明の部屋につくと、晴明は何かを書いているようで、


「晴明」


名を呼ぶと晴明は手を止めて紅蓮の方へ向く。

紅蓮は晴明の隣に座る。


「何を書いてるんだ?」

「ああ、帝に出す文じゃ。明日昌浩に届けさせようと思うてな」

「ふ〜ん」


紅蓮はその場にゴロリと寝転び。

少しの間ゴロゴロとしていたが急にピタリと止まる。
晴明ですはそんな紅蓮を文を書きながら横目でチラリと見ている。

紅蓮はある一定方向だけをただ真っ直ぐに見つめていた。

その先には一人の神将。

紅蓮の愛しい恋人である白虎が立っていた。

白虎は紅蓮を一度チラリと見た後、そのまま晴明の前に座る。


「どうじゃった?」

「ああ、見た所そこまでの被害はなかった。だが、少々結界が緩んでいた。」

「そうか、ご苦労じゃった」


晴明が言うと、白虎は「行ってくる」と言ってまた現場へ行こうとする。


「白虎」


晴明の声に、白虎が止まる。

すると晴明はニッコリと笑い。


「後の事は他の者にまかせる。だから二人で何処か行って来い」

「「なっ!!」」


その言葉には、白虎だけでなく紅蓮も驚いていた。



白虎と二人きりにかれるのは嬉しい。


「晴・・・・」

「これは二人のためでなく、わしのためだ。気にせず行け」







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