素晴らしき頂き物v
□会いたい思い
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ボソリと呟いて書庫へ向かう。
書庫について本を置こうと思い部屋を見回す。
が、今の紅蓮の姿では到底届く訳もなく、紅蓮は「まあいっか」とその場に座り込む。
どうしていつもすれちがってしまうんだろう。
二人きりになりたいと思っても二人きりにはなれなくて、
「何日触れられてないんだろう」
紅蓮は身体を抱き締める。
ここ何日、顔を見てないし声も聞いてない。
異界に会いに行けばすむ話かもしれない。
でも、会いに行ったら迷惑かもしれない。と思うと行けなくて、
「もっくん何してんのさ」
怒ったような声が聞こえてそちらを向く、
そこには昌浩が仁王立ちして立っていた。
そして紅蓮が何かを言いそうになる前に、昌浩は紅蓮を持ち上げる。
紅蓮はキョトンとした顔で昌浩をじっと見る。
「その姿のままじゃ本しまえないでしょ」
「ああ」
「だから来たの」と言って本を片付ける。
紅蓮はそんな昌浩を見てクスクス笑っていた。
すると昌浩が紅蓮を振り返り。
「やっと笑ったね。もっくん」
「えっ?」
「さっきから見てたら何か落ち込んでるからさ。どうしたら笑うかなって思ってたけど、何か心配なかったみたいだね」
そう言って昌浩が笑うのを見て、紅蓮も笑う。
紅蓮は、「ありがとな」と昌浩の肩に乗り頭を撫でる。
白虎と会えない事で落ち込んでちゃいけない。
昌浩に、こんな事ぐらいで心配かけちゃいけない。
いつもどうりにしてないと、白虎にも申し訳ないし、合わす顔もない。
だから笑ってよう。
と紅蓮はクスクス笑う。
「もっくん。今日は家でゆっくりしてなよ」
「いや、いい。お前も忙しいだろ」
ポンポンと肩を叩くと、昌浩は紅蓮を抱き抱える。
、