素晴らしき頂き物v
□会いたい思い
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紅蓮の言葉を遮り、晴明は淡々と述べる。
「だが、結界が緩んでいるという事はそこに居る者が危ないのだぞ!!」
「俺達はお前に力を貸すために居るのだ。そんな事は出来ない」
晴明のためとはいえ、結界が緩んでいるなら誰か居なければ危険だ。
のんびりなんてしてられない。
怒る二人に晴明は溜め息を吐き。
「今のお主らは邪魔だ」
「「なっ!!」」
晴明に”邪魔だ”と言われ、二人は驚きを隠せない。
それでも白虎は何かに気付いたのか、すぐに冷静さを取り戻す。
「すまない。晴明」
そう一度頭を下げた白虎は、紅蓮の身体を抱き上げその場を去る。
「やれやれ。素直に会いに行けばよいものを、どうしてあそこまで我慢するのかのぉ。どう思う、昌浩や」
晴明が言うと、昌浩はひょっこりと現れクスクス笑いながら。
「紅蓮は恥ずかしがりやだからね。それにしても、二人って付き合ってたんだね。じい様に言われるまで知らなかったよ」
「言うつもりはなかったんじゃが、今回の作戦はわし一人じゃ無理じゃったからの」
二人はワイワイと盛り上がっていた。
「にしてもじい様。何日もわざと会えないようにするなんて、ひどくないですか?」
「いいんじゃよ。わしが暇で何か面白い事がしたかったんじゃから」
二人で大笑いしているのを、六合と勾陣は溜め息を吐いて見ていた。
紅蓮と白虎はというと、白虎の風で見しらぬ山に来ていた。
太陽が差し込み、木々たちをてらしている。
その景色はとても綺麗で、紅蓮は怒ろうと思っていた事を忘れ、景色に見いっていた。
「紅蓮」
白虎に名を呼ばれらハッと我に返った紅蓮は、白虎の腕から離れると、
「白虎!!何故晴明に言い返さなかった!!」
紅蓮が叫ぶと、白虎は溜め息を吐く。
「俺達は晴明に遊ばれたようだ」
「・・・・は?」
白虎の口からは思いもよらない言葉が出て、紅蓮は固まる。
「晴明の暇潰しのために、ここ何日と会えなかったみたいだ」
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