素晴らしき頂き物v
□捧げもの
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□捧物
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北燐様へ(昌紅+六青/甘?)
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「紅蓮さ…最近青龍と仲良いよね?」
昌浩の自室、物忌みの
ため部屋で書物を読んでいた昌浩は、ふと顔をあげた。
「そうか?」
珍しく本性で目を閉じていた騰蛇は、軽く首を傾げる。
「うん。なんかたまに誰も居ない部屋で楽しそうに喋ってるでしょ?」
待て待て待て
昌浩の言葉に引っ掛かりを覚えた騰蛇は、ビシッと突っ込みをいれる。
「ちょっと待て、なんで誰も居なかったのに知ってるんだ、お前は!?」
にっこりと、昌浩はいっそすがすがしい黒笑みを浮かべると、凄まじい力で騰蛇の腕を掴んだ。
あぁ…怒ってる、怒ってる……
逃げたくて、騰蛇は部屋の端に居た同胞に目線で助けを求める。
だがその同胞も、どことなく怒っているようで……
「俺に隠し事なんて出来ると思ってるの?紅蓮の事ならなんでも知ってるよ……身体の隅々まで全部ね…」
「な、なんでお前はそう言う…っ////」
耳まで真っ赤に染める騰蛇に、顔をずいっと近づけ昌浩は止めと言わんばかりに耳元で囁く。
「教えてくれないなら、直接身体に聞くけど……?」
身の危険を感じたのか、騰蛇はブンブンと凄い勢いで首を横にふる。
「わ、分かった。話す話すから!!!」
「宜しい」
コイツやっぱり晴明の孫だ…
満足気に笑う昌浩を見て神将二人は、同じ事を思った。
「ただ聞かれてただけだ。」
「何を?」
「六合の事」
「……は?」
騰蛇の口から発された言葉は意外だったようで、昌浩は六合を見やる。
六合も、無表情ながらに驚いているようだ。
「最近、六合は俺達と居る事が多いだろう?」
「まぁそうだけど……なんで青龍が六合の事聞くの?」
「そりゃ、青龍が六合の事す……」
「騰蛇ー!!!!!!」
騰蛇の言葉を遮って現れた青龍は、手に持っていた大鎌を投げつける。
「Σ何すんだ、馬鹿青龍!!」
「馬鹿は貴様だ!よくもペラペラと……!!」
「え、青龍って六合の事好きなの?」
昌浩が言葉を発した瞬間、青龍の顔が朱に染まった。
「ち、違うっ!!///」
明らかに肯定している態度で否定されても、全く説得力はない。
「ふーん、そうなんだ…」
新しい玩具を手にした子供のように昌浩は青龍に近づく。
"観念しろ、こうなった昌浩からは逃げられん"
"そうなったのは誰のせいだ!!!"
同胞のみ通じる言葉で舌戦を繰り広げる二人。