素晴らしき頂き物v

□x`mas
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人々で賑わう駅前。
綺麗にライトアップされた木の下に騰蛇はいた。

「遅いな…」

呟き騰蛇は時計を見上げる。

待ち合わせ時間は7時、だが時計の針は11時を示していた。

「せっかくプレゼントも買ったのに…」

彼のために数日も前から悩みに悩み抜いて買ったのだ。

ポケットから小さな袋を取り出し、騰蛇は息を吐いた。

周りは皆手を繋ぎ楽しそうに笑っている。

「青龍……」

呼んでも応える声はない。

袋を握り締め、騰蛇は頭をふった。

仕方がないのだ、彼は元々真面目で仕事をサボるような事はないし、クリスマスとなればより忙しさを増す。

それなのに自分と会ってる時間なんて無いに決まっている。

頭で理解していても、こう何ヶ月も会って居ないと、さすがに寂しい。

不意に思い出すのは彼からのメール
"明日、7時に何時もの場所に来い"

もう、一日が終わる。

「明日は会えるかな……」

呟き、騰蛇は視線を下に落とす。

「騰蛇!!」

ハッと声がする方に目をやると、そこにいたのはずっと会いたかった人。

「青…龍……」

走って来たらしい青龍は、息を乱し額には汗を浮かべていた。

「…遅い、何時間待たせれば気気が済むんだ」

その声は寒さからか震えていて、青龍は謝罪するかわりに彼を抱き寄せた。

「騰蛇、手を貸せ」

「?」

言われるがままに騰蛇が手を出すと、青龍は小さな箱を開ける。

そこに入っていたのはシンプルなシルバーの指輪。

それを彼の指にはめ、青龍は淡い笑みを浮かべる。

「俺からのプレゼントだ」

「ありがとう……」

ふんわりと幸せそうな笑みを浮かべ、騰蛇はあの小さな袋を青龍に渡した。

「俺からも…」

降りだした白い雪が、優しくキスを交わす二人を包み込んでいった。

―MerryX'mas――…



‡‡‡‡‡


もうすっごい綺麗な小説ですよね!

紅蓮の気持ちがすっごく伝わって来るし、必死に走ってきた青龍に悶えましたーvv

私も、こういう綺麗な小説を書けるようになりたいですーvv

錐洸紫さん、有難うございましたーー!

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