文芸道

□はにかみをあげる
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ほら、長いトンネルを抜けて、いきなり明るい道に出ると、目が眩んで、しばらく動けない状態になることがあるじゃないか。そんな感じだ。
「お早う、白木さん」

この花房雅という人間のオーラは。

……生徒会長とは何度も、顔を合わせたことがある。

初めて交わした会話で、この学校は推理小説に出てくる古い洋館のように、色々仕掛けがあるから面白い、と口を滑らしたのがいけなかったんだろうか。

仕掛け洋館の話は予想以上に花房雅の興味を引いたらしい。その仕掛けはどこにある、もう見つけたのか、などとしょっちゅう話しかけられるようになった。

その都度、自分で探せと突っ撥ねているのだが(だって自分で見つけるのが仕掛け洋館の醍醐味だ)、一向に懲りた様子はない。
会うたびに眩暈がするので、いい加減、大した用もないのに話しかけるのはやめてほしいんだけれども。

眩しさを纏った我が高校の生徒会長は、目を押さえて立ちくらみをやり過ごしている私を気遣うことなく、のうのうと話しかけてきた。



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