文芸道

□期末
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プリンを食べに先輩の部屋に押しかけたその後。


なにが変わったというわけでもなく、私はのんびりと高校生活を過ごしている。




ただ、単純にもう少し仲良くなれたらいいなと気持ちの変化はあったけれど。




高校生をしている以上、人間関係以外にも危惧しなければいけないことは沢山あるわけで。






つまり。







魔のテスト期間の幕開けだ。






放課後のテスト勉強といえば、教室に残って先生に質問をするタイプ、図書室や喫茶店に集まって勉強会を開くタイプ、自宅で一人、集中して勉強するタイプの3パターンが一般的だが、私はそのどれにも当てはまらない。諦めてテスト前10分に賭けるタイプである。


だって普段勉強してない奴が今更頑張ってもたかが知れてるし、それに、





「63ページと65ページの例文、重要語句は穴埋め、単語帳の10ページから18ページは選択、練習帳の29、32、34、35、飛んで61、62ページはちょっと文章変えたのが出る」






我が二年四組にはリーサルウェポンが付いている。






「後藤!数学!数学は!?」


「数学は今回グラフ問題が多いな。教科書の67ページが数字変えて出てくる」


「物理は今回論述出る?」


「23ページ3章と33ページ5章が論述」



我がクラスのラッキースポットこと後藤大吉は、考えられないほど強い運の持ち主だ。



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