文芸道

□カラメルカラーの憂鬱
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偉人は言った。

剣が折れたらその剣先を持って戦えと。





ある文芸家は言った。

ペンが折れたらそのペン先を持って書けと。





部長は言った。

「パソコンが壊れた?今すぐ新しいの買ってこい」





そうね。パソコンは先っちょ持っても使えないもんな。


かくして。





「さーいしょーーーはぐーーー!じゃーんけーんぽおおおおおん!!」





白木樹季、ジャンケン一発負けで文芸部のパソコンを買いにパシられることになりました。


パソコンの部品は重いし、一々メーカーだの接続環境だのを確認しなければいけないからすごく面倒臭い。



行くよ。行くけど。

下着とか食料とか買い足さないといけないし。


けれど悲しきかな、根っからの文型の私は部長たちに要求されたグラフィックボードがどうだとか、カスタムクロックアップがこうだとかいう説明を聞いてもなにも分からない。



……ワードが入ってりゃいいじゃないか。



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