文芸道2
□気障ったらしい言葉など粉々にして
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こんにちは、白木樹季です。
文化祭も終わり、部活動監査も終わった二学期。
残すは学期末テストだけになった学校行事ですが、まだまだテストまでは一か月あります。
私はハーマイオニーではないので一か月前から勉強はしません。下手すると三日前でもしません。早くやりすぎるとテスト始まる前に内容を忘れる気がする。
そんなわけで、特に忙しい行事もない学校で、比較的まったりした時間を過ごしていた時だった。後藤に話しかけられた。
傍目から見ても分かるほど真剣な調子で――桶川さんの勉強会、手伝ってくれ、と言ってきた。
河内の予想当たった。河内すごい。
「頼むよ」
それは、ただの頼み事のはずだった。
前もって聞かされていたし、私は後藤に了承の返事をしようとした……が。
後藤の肩越しに、珍しく教室に来ていた河内の睨むような視線と目が合う。
河内の無言の圧力に負けて、私は、少し考えさせて、と返事を返した。