番外編
□お掃除をしよう!
1ページ/1ページ
重い、体が重くて目を開けると布団で寝ている私の上にマル、モロが乗りあがっていた。
昨日、3年ぶりに穏やかな目覚めが迎えられたから今日も素晴らしい目覚めだと思っていたのが裏切られました。
私が今から三年前に風邪を拗らせて寝込んでしまった時期があった。
その時さくらは『心配だから雪華の側にずっと一緒にいる』と不安そうに訴えてきました。
嬉しいけど姫2人も倒れたら城の皆が大慌てだろう。
でも私とずっと一緒にいたらさくらにも風邪が移ってしまうと心配した父様がさくらを説得させて寝るときは別々の部屋で寝ると言う話になった。
父様がさくらを説得している時に内心ガッツポーズをしたのは秘密だ。
『雪華、おはよー!』
『雪華、おはよー!』
マル、モロ、朝から可愛いよ、でも重い。
『なんで上に乗ってるの?。』
二人はお互い顔を一度合わせると私に笑いかけた。
『主様に起こしてこいって頼まれた♪』
『何度呼んでも雪華、起きないいかったら』
『上に乗って押しつぶしちゃえ♪、って主様に言われたの!。』
『上に乗って押しつぶしちゃえ♪、って主様に言われたの!。』
なんてひどい事を考えるんだよあの人は。私まだ体格7歳児なんだよ。マル、モロの体重は耐えられない。
『起こしてくれてありがとう、まず降りてくれる?。』
『はーい』
『はーい』
二人は私の体に両手で全体重をかけながら降りて行く。
『グエッツ』
お嬢さん方私に全体重乗せたのはわざとですか?、そしたら恨みます。
『雪華、おもしろーい。』
『雪華、おもしろーい。』
私に指を刺しながらキャッキャと喜んでいる。笑い終わると二人は私の両の手を引きながら侑子さんの場所まで案内してくれた。
縁側に椅子があり、その上には侑子さんが座っている。ニヤリと目を細め私を見つめてくる。
『あの起こし方は何なんですか?』
『あら、雪華ちゃんには素敵な目覚めでしょ♪』
『えぇ、で何か用があるんですよね。』
『実は、この店掃除するのが大変なのよ、ちょうど人も増えたし、掃除よろしくっ!。』
満面の笑みでVサインなんですか?
ツッコミどころ満載でしょ!
『侑子さんは掃除しないんですか?。』
『お酒飲み過ぎちゃった。』
テヘっと小首をかしげながら可愛く言う侑子さん。
『お酒飲んだからって掃除できないとは限らないでしょ。私も掃除しますけど、侑子さんも掃除して下さいね!』
『雪華ちゃんてば、冷たいー。』
口を尖らせてブウブウ文句を言う侑子さんを無視してマル、モロに掃除道具まで案内してもらった。
侑子さんに放棄を渡して畳を掃いてくれるように頼んだ。
その後、私はマル、モロと一緒に雑巾で廊下拭きに取り掛かった。
廊下拭きが終わって侑子さんを見るといつの間にかいなくなっていたマル、モロとほうきでチャンバラごっこをしていた。
マル、モロは解るが侑子さんがしないで下さいよと思う気持ちの反面、侑子さんらしいと思った。
汚れたバケツの水を替える為にバケツを持ち上げて庭にでて捨てようと思いっきり投げようのしたら石にツマズキ転び頭から汚れた水を被った。
ちょうど縁側から見える位置で事を起こした為
侑子さん達に丸見え状態になった。
『アハハハハ、雪華ちゃんってドジなんだ。』
『ドジ、ドジ、ドジ』
『ドジ、ドジ、ドジ』
侑子さんには指を指されながら大笑いされマル、モロには、ドジの二文字を連呼しながら踊りだすと言うなんとも悲しい結果が待っていたのである。
私は私で、擦りむいた膝は痛いし、自分は臭いしの災厄な結果だった。
今回の事件で私は、自分が前世でドジだった事を思い出た。
事件の次の日には
私の印象は、グータラにドジが追加されたのを侑子さんが楽しげに言われました。
またも父様に言えない秘密が増えました。侑子さんには逆らえません。