FAIRY TAIL長編図書室

□第5話
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「ルルアっ!」
「あ、ルーシィ」


フリードの隣りでエバーグリーンと談笑していたルルアのもとに、ルーシィがやって来た。

ルルアはフェアリーテイルのみんなに挨拶をして、一段落したところだった。


「ギルドマーク、どこに入れてもらったの?」
「ここだよ」


そう言ってスッと左手の甲を見せたルルア。

あたしと反対の手の甲なのねとルーシィは笑って言ったあと、ん?と呟き、ほんの少しだけ考えを巡らせた。


「左手の甲…って、フリードと同じよね?」


そう言い首を傾げると、ルルアは嬉しそうにうん、と頷いた。


「稀にだけど、記憶を取り戻した時のショックで記憶を失っていた時のことを忘れてしまう場合があるってフリードくんが言ってたの。だけど、私のこと助けてくれた人なのに忘れちゃうなんて嫌だなって思って…。だから、フリードくんと同じ左手の甲にギルドマークを入れてもらったんだ。…助けてもらった証にしたくて…」


自分勝手かもしれないけど、と少し照れたように言ったルルア。

フリードは頬を少し赤らめて話を聞いていたので、傍にいたエバーグリーンと目を合わせ、ルーシィは「でぇきてぇる゛」とからかった。


するとフリードはもっと顔を赤くして、うるさいっと言ってビックスローのもとに八つ当たりをしに行った。


「イテッ!痛ェっての!俺に八つ当たりすんなよ……っイッテェ!!」


時折聞こえるビックスローの声や、ギルドのみんながゲラゲラと笑う声に耳を傾けつつ、ルルアはぽつりと呟いた。


「騒がしいなぁ」
「そうね。でもこれが私たちフェアリーテイルよ」


エバが微笑みながら言う。


「このギルドは気に入ってくれたかしら?」


ミラがルルアにジュースを出しながら問う。

ルルアはふわっと笑った。


「…うん。騒がしいけど、すごくあったかくて…。私、こういう場合好きだよ」


なんか、家族に囲まれてるみたい、と続けたルルアに、ギルドのみんなは微笑む。

少し遠くでビックスローに八つ当たりをしていたフリードも手を止めて微笑み、ビックスローもルルアを見て微笑んだ。


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